コンタクトレンズをしたまま昼寝はできる?リスクと対処法も紹介
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コンタクトレンズをしたまま、つい昼寝をしてしまったことはありませんか?
「短時間の昼寝ぐらいなら、コンタクトレンズをつけたまま寝ても平気だろう」と思うかもしれません。しかし、コンタクトレンズをつけたまま寝るのはNGです。
- 目を閉じているときのコンタクトレンズの状態
- コンタクトレンズをつけたまま昼寝をするとどうなるのか
- コンタクトレンズをつけて昼寝をしたときの対処法
これら3つの観点から、詳しく見ていきましょう。
コンタクトレンズをしたまま昼寝はできる?
たとえ30分ほどの短時間であっても、コンタクトレンズをしたまま昼寝をするのは避けてください。
コンタクトレンズをつけたまま昼寝をすると、さまざまなトラブルにつながります。場合によっては、重大な病気になってしまう可能性もあります。
コンタクトレンズをしたまま昼寝をするとどうなる?
コンタクトレンズをしたまま昼寝をすると、以下のような3つのトラブルが起こります。
- コンタクトレンズがずれる・張り付く
- 目が充血する・乾燥する・痛くなる
- 角膜炎など重大な病気につながることがある
1つずつ見ていきましょう。
コンタクトレンズがズレる・張り付く
コンタクトレンズをつけたまま昼寝をすると、コンタクトレンズがズレたり、目に張り付いたりします。
これは、睡眠時の目の動きや、涙の減少、目の乾燥によるものです。もしコンタクトレンズが目に張り付いた場合は、まばたきをしたり、目薬を点したりして、目をうるおす必要があります。
コンタクトレンズがズレたり張り付いたりしたときの外し方や対処方法については、こちらをご参照ください。

目が充血する・乾燥する・痛くなる
コンタクトレンズをつけたまま昼寝をすると、目の充血、乾燥、痛みなどを引き起こすことがあります。
目を閉じているときは涙がほとんど出ず、目の表面が乾燥するためです。
涙は、目に酸素や栄養を与える役割を持っています。涙が少なくなると、目が酸欠や栄養不足になり、角膜がむくんでダメージを受けやすくなるのです。
また、目を閉じていることで、コンタクトレンズに付いた汚れなどを流すことができません。雑菌が繁殖しやすい環境にもなってしまい、充血などの症状を招きます。
さらに、無理にコンタクトレンズを外そうとするとレンズが破損し、目の痛みを感じることもあります。
コンタクトレンズを外した後に目が痛い理由を詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。

角膜炎など重大な病気につながる可能性も
コンタクトレンズをつけたまま昼寝をしてしまうと、角膜炎など重大な病気につながる可能性があります。
最も深刻な感染症は「アカントアメーバ角膜炎」です。
アカントアメーバは、世界中の土壌や池・川、噴水や水道水に生息しています。※参考1
水道水でコンタクトレンズを洗ったり、水道水を保存液がわりに使ったりすると、アカントアメーバ角膜炎の感染リスクが高まります。
また、長時間の装用などの誤った使い方により角膜に傷がついた場合も、アカントアメーバが角膜に進入しやすくなり、角膜炎を引き起こす可能性があるのです。
こうしたことから、コンタクトレンズユーザーはアカントアメーバ角膜炎になりやすい傾向があります。※参考2
重度のアカントアメーバ角膜炎になると、角膜を削り取る治療や入院が必要になる場合があります。特効薬もないため、一度かかってしまうと治療が難しくなるのです。
角膜が白く濁ったり、穴が開いてしまったりすることもあり、最悪失明に至ることもあります。
目を閉じているときのコンタクトレンズの状態は?
目を閉じているときはコンタクトレンズが動かず、目の酸素が不足している状態です。
コンタクトレンズは、角膜と呼ばれる黒目の上に乗せた状態で使います。
角膜は、常に酸素が必要です。起きているときはまばたきをするので、コンタクトレンズをしていても数ミリ単位でレンズが上下し、酸素を取り入れてくれます。
しかし、寝ているときはまばたきをしないので、十分な酸素を取り入れられません。その分、涙も不足するため、目の表面が乾燥します。
また、酸素不足により、さまざまなトラブルを引き起こす可能性もあります。
そのため、コンタクトレンズをつけたまま昼寝をするのは特に気をつける必要があるのです。
コンタクトレンズをしたまま昼寝をしたときの対処法
コンタクトレンズをしたまま昼寝をするのはよくないと分かっていても、つい寝てしまうことがあるでしょう。そんなときは慌てずに、以下の方法で対処します。
- まばたきや目薬で目をうるおす
- 1dayコンタクトレンズは新しいものに変える
- 2week・1month・ハードコンタクトレンズは保存液へ入れる
1つずつ見ていきます。
まずはまばたきや目薬で目をうるおす
コンタクトレンズをしたまま寝てしまったときは、まずはゆっくりとまばたきをしましょう。
涙を意識的に分泌させたり、ドライアイ用の目薬などで目をうるおしたりしてから、コンタクトレンズを外します。すぐにコンタクトレンズを外したくなるかもしれませんが、無理に外さないようにしてください。
ただし、目をうるおすときに、水道水を使ってはいけません。
水道水には、わずかながら塩素が含まれています。この塩素が、目の表面を傷つけてしまうのです。また、水道水が涙に含まれる栄養素や目を保護する大事な成分まで洗い流してしまうことがあります。※参考3
人によっては、「コンタクトレンズが目の裏側に入った」と感じることもあるかもしれません。その場合の対処法は、こちらの記事で紹介しています。

コンタクトレンズが無事に外せたら、目のダメージが回復するまで、コンタクトレンズの装用は控えましょう。
1dayコンタクトレンズは新しいものに変える
1dayコンタクトレンズを装用している場合は、取り外した後に新しいものに変えます。
1dayコンタクトレンズは、一度外したら再度使うことはできません。耐久性も強くないので、繰り返し使うと目のトラブルを引き起こしてしまいます。
少しもったいないと感じてしまうかもしれませんが、必ず新しいものに取り替えましょう。
2week・1month・ハードコンタクトレンズは保存液へ
2week・1month・ハードコンタクトレンズを装用している場合は、コンタクトレンズを外した後、普段通りのケアをすれば問題ありません。
コンタクトレンズを洗ったら、保存液へ入れます。雑菌が繁殖しないよう、保存液は新しく入れ替えましょう。
どうしても外れない場合は眼科を受診する
コンタクトレンズがズレたり張り付いたりしてしまってどうしても外れない場合は、眼科を受診しましょう。
無理に自分で外そうとすると、かえって角膜表面を傷つけてしまう場合があります。
眼科を受診して専用の器具で取ってもらい、同時に目の表面の状態をチェックしてもらうと安心です。
昼寝をする前はコンタクトレンズを外そう
コンタクトレンズをつけたまま昼寝をすると、さまざまなトラブルを招く危険性があります。
昼寝をする前は、たとえ短時間でも必ずコンタクトレンズを外すようにしましょう。
コンタクトレンズを正しく使い、安心で快適なコンタクトレンズ生活を送ってください。 アットコンタクトTOPページはこちら
参考資料
- 参考1: ソフトコンタクトレンズの取り扱いにご注意を!|神奈川県衛生研究所
- https://www.pref.kanagawa.jp/sys/eiken/008_topics/files/topics_100202_contactlens.htm
- 参考2: コンタクトレンズと感染症|日本眼科医会
- https://www.gankaikai.or.jp/health/34/08.html
- 参考3: こんな使い方をしたらダメ | 日本コンタクトレンズ協会
- http://www.jcla.gr.jp/safely/index.html