衝撃事件の核心

前橋・女子高生2人はねた85歳、暴走のワケ 高齢社会に突きつけられた「認知機能」と「恋愛」

暴走の末、女子高生2人をはねた川端容疑者の乗用車。ブロック塀に激突し前部が大破している(吉原実撮影)
暴走の末、女子高生2人をはねた川端容疑者の乗用車。ブロック塀に激突し前部が大破している(吉原実撮影)
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ねじ曲がった自転車のサドル、散乱するノートや文具、横たわったまま動かない制服姿の2人の少女-。始業式の9日朝、自動車保有率と運転免許保有率が全国1位の群馬県で起きたショッキングな交通事故。前橋市北代田町の県道を登校中の女子高生2人が猛スピードで逆走してきた乗用車に次々とはねられ、重体となった。自動車運転処罰法違反(過失致傷)容疑で逮捕された川端清勝容疑者=同市下細井町=は85歳の高齢で、「気がついたら事故を起こしていた」という供述から認知症などが疑われたが、明確な兆候はなかった。ただ、頻繁に物損事故を起こして家族に運転をやめるよう説得され、「(車の)鍵を隠す」とまで言われていたのにもかかわらず、目を盗んで家を出た。向かった老人福祉センターには交際中の女性がいて、送迎役を務めていた。女性への思いが暴走の引き金になったのか。捜査当局は鑑定留置を決め、詳しい原因を探っている。

接触事故後に逆走、次々とはね

事故現場は、川端容疑者の自宅から直線距離で約550メートル。片側の幅3・2メートルの県道で、脇に白線で分けられた約1メートルの路側帯はあるが歩道は手前で切れている。午前8時25分、2人の女子高生は20メートルほどの間隔で、路側帯に沿って北に1・3キロの校門へと自転車で向かっていた。

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