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管理栄養士が「緑茶に含まれるカフェイン」を解説!他の飲み物との比較や睡眠への影響も説明します
日本人になじみの深い緑茶。
カフェインが多いイメージがありますが、飲みすぎると眠れないなどの影響を起こしてしまうのでしょうか?
またほかの飲み物と比べると多いのかどうかも気になりますよね。
今回の記事では「緑茶のカフェイン」について、管理栄養士が解説します。
緑茶のカフェインの量はどのくらい?
緑茶のカフェイン量は100mlで20mgです。
カフェインの基準値は米国食品医薬品局(FDA)のものを参考にすると、1日400mgまでとされており、1日2L以上の緑茶を飲むとオーバーしてしまいます。
緑茶の量により、カフェインの量は下記のとおり異なります。
緑茶のカフェイン量は、100mlだと20mg、コップ1杯(200ml)だと40mg、ペットボトル小サイズ(350ml)だと70mg、ペットボトル普通サイズ(500ml)だと100mgです。
お茶の淹れ方によりカフェインの量が変わるため、ペットボトル飲料では商品によって量が増減する場合があります。
パッケージにカフェインの量が記載されていることもあるため、普段飲んでいるお茶のカフェイン量を知りたい方は、一度チェックしてみましょう。
ほかの飲み物との比較
緑茶はカフェインの量が多いイメージがあるかもしれませんが、お茶の中では平均的な含有量です。
ほかのお茶やコーヒーなどと、100mlあたりのカフェイン含有量を比較してみましょう。
緑茶に含まれるカフェインは、コーヒー(60mg)や紅茶(30mg)より少なくなっています。
烏龍茶(20mg)やほうじ茶(20mg)は、原料となるお茶の樹が同じであるため、カフェインの量は同じです。
また麦茶はカフェインを含まないため、カフェインを減らしたい場合によいでしょう。
注意!玉露や抹茶入り緑茶はカフェイン量が多い
お茶の新芽にはカフェインが多く含まれており、玉露や抹茶には新芽が多く使われるため、カフェイン量が多くなっています。
100mlあたりのカフェイン含有量は、玉露茶は160mg、抹茶は64mgです。これは普通の緑茶の3~8倍にあたる量です。
どちらもそのまま飲む機会は少ないのですが「玉露入り緑茶」や「抹茶入り緑茶」は通常よりカフェインの量が多いと考えられます。
商品により異なりますが、カフェインを控えたい方はこのようなお茶は避けた方がよいでしょう。
緑茶のカフェイン量は眠れなくなるほどの量なの?
緑茶に含まれるカフェインは覚醒作用があるため、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりするなどの睡眠に影響を与えることがあります。
コーヒーや紅茶に比べるとカフェインの量は少ないのですが、カフェインに敏感な方は、緑茶を飲むことで眠れなくなるなどの問題につながることも考えられます。
カフェインの影響は5~6時間以上残るとされているため、カフェインの影響を避けたい方は、寝る前はもちろん、夕方以降は緑茶を控えた方がよいでしょう。
緑茶の適量は1日2L以下【適量ならカフェイン以外にも嬉しい成分】
緑茶の適量について、決まった目安はありませんが、カフェインの基準値(成人は1日400mgまで)を考慮すると、1日2L以下にするのがよいでしょう。
カフェインは過剰摂取により、不眠や興奮、不安、震え、めまい、心拍数の増加、下痢、吐き気などの症状を起こすことが知られています。
緑茶ばかりで水分補給をするのは避け、コーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲み物を別にとる場合は、緑茶の量を減らしましょう。
緑茶は適量であれば、カテキンやタンニンの抗酸化作用により、美肌づくりや免疫機能の維持、生活習慣病の対策など、さまざまな効能が期待されます。
量に気を付けて、上手に緑茶を取り入れてくださいね。
妊娠中・授乳中の取り入れ方【緑茶のカフェイン】
妊娠中や授乳中はカフェインが絶対にNGというわけではなく、適量であればよいとされているため、緑茶を飲んでも大丈夫です。
海外の基準では、妊娠中や授乳中はカフェインの摂取量を200~300mg程度に抑えることが推奨されています。
緑茶に換算すると、1〜1.5L飲んでよい計算です。
ほかにカフェインを含む飲み物を飲む場合は緑茶を減らす必要があるため、量に注意しながら緑茶を楽しみましょう。
カフェインを減らしたいときのおすすめの飲み物【緑茶以外にも】
緑茶のカフェインを気にせずに楽しみたいときや、夕方以降にカフェインを控えたいとき、また妊娠中や授乳中にもおすすめのお茶を紹介します。
カフェインレス緑茶
緑茶が好きな方は「カフェインレス緑茶」を試してみるのはいかがでしょうか。
カフェインレス緑茶とは、緑茶からカフェインをできるだけ取り除いたものです。
カフェインレス緑茶の中には、カフェインが少量含まれているものもありますが、中にはゼロのものもあります。
やさしい味わいで緑茶の風味も楽しめるため「緑茶を楽しみたいがカフェインを控えたい」場合によいでしょう。
コンビニなどで手軽に手に入るペットボトル飲料もあるため、一度チェックしてみてくださいね。
麦茶や黒豆茶、ルイボスティー
茶葉にはカフェインが含まれますが、茶葉以外を原料とするお茶にはカフェインを含まないものが多くなっています。
具体的には、麦茶、黒豆茶、コーン茶、ルイボスティー(※)などがあります。
どれもやさしい味わいのため、日中や寝る前の水分補給にぴったりでしょう。
※:妊娠後期の方はルイボスティーの過剰摂取により、赤ちゃんに影響する可能性が知られているため、注意が必要です。
絶対に飲んではいけないわけではありませんが、ルイボスティーばかりを飲むのは避け、麦茶や水などを中心に水分補給するようにしましょう。
緑茶のカフェインで睡眠に影響することも!量とタイミングに気を付けよう
今回の記事では「緑茶に含まれるカフェイン」について、管理栄養士が解説しました。
緑茶のカフェイン量はコーヒーや紅茶に比べると少ないものの、お茶の中でも平均的な含有量であるため、カフェインの影響を避けたい場合は注意が必要です。
たくさん飲むのは避けることと、寝る前や夕方以降に飲むのは避けることで、睡眠への影響を減らすことができますよ。
適量であればさまざまな効能を期待できるため、上手に緑茶を取り入れてくださいね。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,農林水産省「カフェインの過剰摂取について」,厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」,一般社団法人 母子栄養協会「ルイボスティーは妊婦や赤ちゃんでも大丈夫?」