海の危険生物
- 腔腸動物では
- ハブクラゲ
- ウンバチイソギンチャク
- サンゴ、イラモ
- 棘皮動物
- ガンガゼ
- 軟体動物では
- アンボイナ
- ヒョウモンダコ
- 爬虫類では
- エラブウミヘビ
- 脊椎動物では
- オニダルマオコゼ
- ハナミナカサゴ
*海の危険生物による種別被害発生状況(図1)
*月別の被害発生状況(図2)
*海洋有害生物毒と熱
年間沖縄県全体で85例程度被害届けがあり、その内ハブクラゲが全体約40%余、オコゼやミノカサゴによる刺傷が40%余あり、2つで約90%を占める。(図1)
特にハブクラゲは6月〜9月に発生し、魚(オコゼやミノカサゴなど)も夏をピークに年間通してみられる。(図2)
右のポスターは、沖縄県環境保健部が作成しもので、代表的な沖縄の海の危険生物を示しています。
1.ハブクラゲとは? 2.ハブクラゲの毒とは? 3.どうのようにして餌をとるか? 4.症状 5.応急処置 6.治療
ハブクラゲとは?
-
沖縄県に生息する有毒な立方クラゲ
-
熱帯アンドンクラゲ科
-
オーストラリアの猛毒で有名なchironex fleckleriによく似ているが、大きさが1/3程度の大きさである。
-
chironex fleckleri;傘の直径;25〜30cm
-
ハブクラゲ;傘の直径;10〜13cm
-
傘の4角に4本の足があり、それぞれに約7本の触手があり、計28本〜30本ある。
ハブクラゲの毒とは?
-
触手表面に無数の刺胞細胞がある。
-
刺胞細胞には刺針、蓋がある。(詳細図)
ハブクラゲはどのようにして餌をとるか?
ハブクラゲの症状
ハブクラゲの応急処置;
-
救出、安静
-
食酢(5%)で洗い流す(刺傷30秒以内に)
-
緊縛または圧迫包帯し固定
-
意識障害またな呼吸停止時心肺蘇生
腔腸動物(刺胞動物)の治療(ハブクラゲ、ウンイソギンチャクなど);
- 刺胞の除去;
- 疼痛の軽減
- 局所(皮膚に対する)の処置
- 全身症状(意識障害、呼吸抑制等重症例)
- 感染対策
1.オコゼの毒 2.症状 3.治療
オニダルマオコゼの毒
オニダルマオコゼの症状
- 猛毒;カサゴの4.5倍。筋肉障害。
- 激痛
- 30〜60分がピーク。6〜12時間には改善。
- オニダルマオコゼの場合は数日持続することもある
- 創
- 最初は蒼白、次いで発赤、暗紫色。腫脹。
- 局所熱感。水泡形成。局所壊死。蜂窩織炎。
- 全身症状
- 不安、頭痛、振戦、皮疹、嘔吐、下痢、発汗、譫妄、痙攣
- 腹痛、関節痛、発熱、高血圧、不整脈、ショック、死亡
硬骨魚類の治療;オコゼ、カサゴ、エイなど
- 局所の処置
- 刺棘、異物の有無を確認・除去
- 挫滅組織のdebridement
- 疼痛の軽減
- 40〜45℃の温湯に30〜60分浸す
- 鎮痛剤
- 局所神経ブロック
- 感染対策
- 重症オコゼ刺傷
- 重度の全身症状(高血圧、不整脈、失神など)
- 血清投与
海洋有害生物毒と熱
有害生物名 |
毒性分 |
熱 |
ハブクラゲ |
蛋白毒 |
不明 |
アンボイナ |
低分子物質 |
100℃でも安定 |
オニヒドデ |
蛋白質+サポニン |
60℃以上で失活 |
オニダルマオコゼ |
高分子蛋白 |
50℃以上で失活 |
フグ |
テトロドトキシン |
熱に比較的安定 |
シガテラ毒 |
シガトシキシンなど |
熱に安定 |
アンボイナの初期治療
- 緊縛、切開吸引(ハブの処置に準じる)
- 安静
- 呼吸抑制→気道確保、人工呼吸
- 抗血清はない