【12月18日 AFP】インド東部ジャルカンド(Jharkhand)州の辺境地にある農村で、高齢の夫婦が黒魔術を使ったとして近隣住民に殴り殺される事件があった。地元警察が17日、明らかにした。

 被害者の夫婦はともに60代後半。黒魔術を使って近所住民4人を殺したとの噂をたてられていたことから、この住民4人の親族が噂を信じ、報復として夫婦に暴行を加えて殺害したうえ、夫婦宅に放火。家は焼失した。夫婦殺害との関連で、これまでに3人が逮捕された。

 ジャルカンド州では先週も別の村で、60歳の女性が黒魔術で新生児を殺したと疑われ、隣宅の住民に焼き殺されるという事件が起きている。この住民は殺人の容疑で逮捕された。

 識者によれば、インドの辺境部や部族地域では現在も黒魔術やオカルト信仰が残る村々が多い。いけにえとして人が殺害される事件も報告されているという。

 国家犯罪統計局(National Crime Records Bureau)の最新統計によると、2000~12年までに魔術を使ったと疑われて殺害された人の数は2000人を超えており、その多くが女性だ。

 その一方で東部オディシャ(Odisha)州など、魔術や迷信絡みの殺人事件の減少を目指して特別法を導入した州もある。(c)AFP