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川で溺れそうになった時に助かる方法 溺れた人を助ける方法

  • 2021年9月29日

この夏、日本各地で水の事故がありました。なかでも河川での水難事故が増加しています。
川で自分が溺れたときどうしたらいいのか。また、溺れた人を見つけたらどう助けたらいいのか。具体的に知ってもらおうという取り組みを取材しました。

河川での水難事故は年々増加傾向に

■川での水難事故は、7月、8月に集中していますが、9月もかなり多いんです。(※河川財団調べ)
まだ暖かい日が多く、川遊びをする人が結構いること。秋雨前線の影響で水位が変わりやすく、流れが速くなることなどが原因と考えられます。

■令和2年の水難事故による死者行方不明者は722人。前年より27人増えています。(※2021年6月警察庁データより)また、海での死者行方不明者は、前年よりも16人減っているが、河川では29人増えています。

日本(にっぽん)赤十字社によると、ここ数年のデータを見るに監視員のいることが多い海ではなく、監視員のいない河川での死者行方不明者が増加する傾向があるとみています。

コロナ禍 河川で溺れた時の対処法などの動画を作成

日本赤十字社は、コロナ禍で参加者を集めて行う水難救助の講習会ができなくなったことから、溺れた時に助かる方法などを多摩川で撮影し、動画を制作してSNSで配信することにしました。

川で溺れたときどうする?

まず、川でかかせないのは、ライフジャケット。
実際に、ライフジャケットをつけている場合とつけていない場合では、どのような違いがあるのでしょうか?日本(にっぽん)赤十字社(水上安全法指導員)の小宮山利明さんに聞きました。

■ライフジャケットあり
顔全体が水面に出ます。

■ライフジャケットなし
体が浮かず溺れる可能性が高い。個人差はあるが、体の数%しか水面の上に出ないといわれています。鼻と口で呼吸するのは至難のわざです。

流された場合、無事岸にたどりつくには?

1.流されるときの体勢が重要。流れていく方向に足を向ける。
・岩にぶつかりそうになっても、足で蹴って危険を回避することができる。

2.流されていく間に、流れのゆるやかな場所に避難することも考える。
・岩の陰は流れがゆるやか。岩を過ぎたらからだを反転させ、岩の陰へ入り、そこで救助を待つことができる。

3.流され続けた場合、陸に上がりやすい、河原などを探す。
・岸側に身体を傾けると、背中が水に押されて自然と岸に寄っていく。

4.岸側に寄っていったら、腹ばいになり、膝をついてゆっくり立ち上がる。
・急に立ち上がると、石につまずいたり滑ったりして再び流されてしまう危険性がある。

川で流された人を発見したとき、どのように助ける?

1.まずは、119番に通報して救助を要請する。
・このとき、流された人を見失わないようにすることが大切。

2.浮くものを投げる。
・ひもをつけたペットボトルを溺れた人に向けて投げて、つかんでもらう。
※ひもは注ぎ口にひもを入れ、フタをしめればOK。
※中に水を少し入れると狙った位置に投げやすい。

3.溺れている人がペットボトルをつかんだら、投げ入れた人はひもを持ち続けていれば救助できる。
※ひっぱる必要はなく、救助している人が支点になり岸に寄っていく。

日本赤十字社 水上安全法指導員 小宮山利明さん
「川で流されたらどうしようということでこの撮影会を行ったんですが、川の流れで、怖いとか、危ないとか、感じて頂いてもいいですし、命を守るために、この動画を見て思い出してもらえれば、川の事故は減っていくと思います」

日本赤十字社が制作した「川で溺れたときの対処法」などの動画は、Youtubeで見ることができます。
日本赤十字社東京都支部「河川での事故を防ぐために」で検索

ライフジャケットどんなものを選べばよい?

船から海に転落したときにライフジャケットを着用していた場合の生存率。87%が助かったと分かります(死亡13% 生存87% 令和2年海難の現状と対策・海上保安庁より)。

河川財団の研究員 菅原一成さんは、「ライフジャケットをつけていれば、溺れるリスクを大きく下げることが出来ますが、着用している人は、多くはない」と指摘しています。

では、ライフジャケットはどんなものを選べばよいか、菅原さんに聞きました。

【膨張式】

■水に落ちたとき、自動で膨らむものや、紐を引くと膨らむものがあります。
※釣りなどの場合に向いています。

【固定式】

■初めから浮く素材が組み込まれていて、体に固定し、着るタイプのものです。
※川に入る場合は、こちらを使う。緩いと、川の流れで脱げることがあるので、ベルトをしっかりしめ、フィットさせて着用してください。
※子ども用は、脱げやすいので、股下にベルトがあるタイプがよいそうです。

川の流れは複雑で、浮き輪や腕につけるタイプの浮きは、下向きに引っ張られる流れもあり、抜けることがある。川では必ず適したライフジャケットを付けてほしいということでした。

ライフジャケットの選び方など詳しくは、河川財団ホームページ内「水辺の安全ハンドブック」をご覧ください。
https://www.kasen.or.jp/mizube/

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