「#パパ活」投稿見つけたら、警察が警告メッセージ…逮捕につながるケースも

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 子どもが性犯罪被害に遭いかねないツイッター上の投稿を見つけ、警告のメッセージを送って被害防止につなげる宮崎県警の取り組みが開始から1年たった。子どもが金銭をもらってデートすることを呼びかけたり、逆に大人が子どもを誘ったりするなどの投稿1190件に警告し、約半数はその後投稿者らが削除するなど成果も出ている。見つけた投稿をきっかけに少女の被害を把握して男を逮捕したケースもある。(伊藤和)

宮崎県警がツイッター上で投稿した警告のメッセージ(画像の一部を修整しています)
宮崎県警がツイッター上で投稿した警告のメッセージ(画像の一部を修整しています)

 この取り組みは県警少年課が中心となって昨年4月に始めた。警察官がパソコンなどで県内の少年、少女らが発したとみられる投稿などをチェック。金銭をもらって男性とデートする「パパ活」といった名称のハッシュタグをつけ、会うことを誘う投稿などを見つければ、次のようなメッセージを送って警告する。

 「この書き込みは、児童買春などの被害につながるおそれがあります。見ず知らずの相手と会うことは、誘拐や殺人などの重大な犯罪に巻き込まれるおそれがある大変、危険な行為です」

 県警はこれに加え、子どもを誘い出そうとする大人からの投稿にも警告のメッセージを出している。投稿者が県内在住者かどうかは、投稿に出てくる地名などで判断するという。

 今年4月末までの1年1か月間に県警が警告した投稿1190件のうち、998件は子ども側からとみられる投稿という。「お小遣いもらえれば、できるだけなんでもします」などと記されていた。一方、大人側が発したとみられる投稿には「女の子募集します。貢ぎます」などとあった。

 投稿の約半数は、県警が警告した後に削除された。県警は削除されなかった投稿でも、県警の警告を見て大人や子どもが警察の目を意識し、その後のやりとりをやめたケースもあるとみている。

 少女の被害を把握して男を逮捕した事例は、2月にこの少女が投稿したメッセージが逮捕のきっかけとなった。少女は「援助交際」などを求める投稿をしており、県警は警告したが、少女は投稿を継続。その後県警側が少女と会って話を聞くと、買春の被害に遭っていることがわかった。これを受け、県警は5月、買春をしていたとして成人の男を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童買春)容疑で逮捕した。

 少年課によると、SNSに起因して性犯罪被害に遭ったとみられる18歳未満の人は昨年、県内で10人確認された。県警は昨年度、被害防止に向け、SNSの危険性などを生徒らに伝える教室を133校で行うなど啓発活動にも力を入れており、同課の川野勇造理事官は「保護者への啓発も進めたい」と話している。

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2116332 0 社会 2021/06/10 23:35:00 2021/06/10 23:35:00 2021/06/10 23:35:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210609-OYT1I50135-T.jpg?type=thumbnail

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