キロネックス

Cubozoa
水面下に潜むキロネックス
Photograph by David Doubilet
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早わかり

分類: 無脊椎動物
保護状態: なし
食性: 肉食
寿命: 野生: 1 年
体長: 長さ 3 メートル
体重: 最大 2 キログラム
キロネックスの毒の影響を受けないウミガメは、キロネックスをエサとしている。

成人男性(180cm)との比較

分布

プロフィール

 立方クラゲ類(Cubozoa)の仲間で、悪名高きキロネックス(Chironex fleckeri)は、強い毒で魚や小エビなどの獲物を瞬時に気絶させたり殺したりする。これは、獲物がもがいて自分のデリケートな触手を傷つけるのを防ぐためだ。キロネックスの毒は世界でも特に致死性が高いものの1つと考えられ、その毒素は心臓や神経系、皮膚細胞に影響を与える。人間がキロネックスに刺されると、耐えられないほどの激痛のためにショック状態になっておぼれるか、岸にたどり着く前に心臓まひで死んでしまうことがある。死に至らなくても数週間にわたって激痛が続き、触手が触れた部分にはひどい傷あとが残ることが多い。

  キロネックスの主な生息域はオーストラリア北部の沿岸部海域やインド洋、西太平洋全域である。沖縄周辺や奄美諸島に生息するハブクラゲも同じ立方クラゲ類の仲間である。体は薄い青色で透き通っている。立方クラゲという呼び名は、かさの部分が立方体のような形をしていることに由来している。かさの4つのツノからは、それぞれ最大15本の触手が伸びており、触手は大型の種では3メートルにも達する。各触手には約5000個の刺胞があり、直接触れなくても、獲物の体から出る化学物質を感知して反応する。

  キロネックスは、クラゲの中でも進化したクラゲとされる。水中をただ漂うのではなく自ら移動することができ、最高4ノットのスピードで進む。また、かさの4辺に、それぞれ6個1組の目が備わっている。各組に2個ずつ、精巧なレンズや網膜、虹彩、角膜を備えた目があるが、キロネックスには中枢神経系がないため、見えた映像をどのように処理しているのかはまだ明らかになっていない。

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