事故現場近くで営まれた法要で手を合わせる遺族たち(23日午前7時55分、亀岡市篠町)

事故現場近くで営まれた法要で手を合わせる遺族たち(23日午前7時55分、亀岡市篠町)

 京都府亀岡市で2012年、集団登校中の児童らの列に無免許運転の車が突っ込み3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故は、23日で発生から10年を迎えた。事故が起きた同市篠町の府道では法要が営まれた。遺族は悲惨な交通事故がなくなることを願い、月日がたっても変わらない大切な家族を突然失った悲しみを吐露した。

 事故は安詳小の通学路の府道で発生。無免許運転で居眠りした少年=当時(18)=が10人をはね、小谷真緒さん=当時(7)、横山奈緒さん=当時(8)、松村幸姫さん=当時(26)=とおなかの中の赤ちゃんが亡くなった。

 法要には小谷さんと松村さんの遺族が参加した。発生時刻の午前8時前から、遺族や参列者が花を供えて焼香し、静かに祈りをささげた。

 小谷真緒さんの父真樹さん(39)は現場で手を合わせ、「かなわないと分かってはいるが、目を開けたら10年前の朝に戻ってくれへんかな」と考えたという。事故を撲滅するため、各地で講演を重ねてメディアの取材にも応じてきた。「真緒は(自分の活動を)どういう風に見ているのか教えてほしい。声を聞かせてほしい」と語った。

 松村幸姫さんの父中江美則さん(58)は「この10年ずっと苦しくて、今日も(現場に)立っているだけでやっと」と打ち明け、「夢の中でもいいから、もう一回だけ幸姫を抱きしめさせてほしい。もっと甘えてほしい」と涙を流して訴えた。