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「殺人ダニ」西日本に偏在?韓国の致死率高く 「SFTS」は日中韓で確認の新型感染症

日本の致死率21%

 SFTSに感染すると、6日から2週間ほどの潜伏期間を経て、発熱や全身のだるさ、吐き気などの症状が出る。SFTSは2011年に中国の研究者により初めて発表され、その後、日本、韓国で確認。新しい感染症で認知度が低く、世界に広がっている可能性もあるが実態は不明だ。

 日本で初めて感染が判明した平成25年から今年6月末までに、計266人の患者が報告されている。有効な治療薬はなく、計算では、日本の致死率21%の「殺人ダニ」だ。韓国での致死率は46%とさらに高く、中国でも7・3〜12・2%との調査結果がある。中韓では血液が原因とみられる人と人の間の感染事例も報告されている。

 感染患者の届け出地域で最も多いのは、宮崎県の43人。次いで、高知県26人、鹿児島県26人、山口県23人、愛媛県23人、広島県21人、徳島県21人の順になっている。石川県から西に集中しており、東日本で報告がない。

 西條部長は「東日本に患者がいないというわけではない。実際には診断に至っていないのかもしれない。東日本での認知度が低く、今後患者が出てくる可能性がある」という。

 確かにタカサゴキララマダニは西日本しか生息していないが、フタトゲチマダニは本州全域に広くいる。マダニは5月から8月にかけて活発に活動する。河川敷や公園の草むらなどの葉、枝、草の先端に潜んでおり、そこを通ってかゆみなどの自覚症状がある場合は、病院で診てもらった方がよいだろう。

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